為替変動は、嵐の前の静けさなのか

結局、昨夜のNYダウは小幅高で終わり、ドル円は108円台まで突っ込んだものの、109円に戻して引けている。

為替相場については北朝鮮の問題以外にも材料があり、特に米国の利上げ観測がハト派的な要素が強まる中、今後も円高への圧力は簡単に解消されそうにない。

さて、このような中で一体どのように対応したらいいのか。本当に悩ましいところだ。

日経平均については、2万円の大台を挟んでのもみ合いが続いていたことから、動き出したらボラティリティが高まる可能性があったわけで、当面は激しく上下するだろう。

自分の経験で印象に残っているのは、9.11の米国同時多発テロの時のことだ。テレビのニュースを見て、とんでもないことが起きたことを知り、東京市場が大暴落すると予想して朝の寄り付きで多くの保有銘柄を投げ売りした。

実際に9時を過ぎても多くの銘柄が売り気配のままだった。ボクの売り注文も時間こそかかったものの無事に約定して安堵したのも束の間、10時頃になったらほとんどの銘柄が値を戻してしまった。慌てて買い戻しに動いたものの、結果的に損失ばかりになってしまい、後でよくよく見たら売らないほうが良かったという結果であった。

この教訓を生かすことは難しい。次に3.11の時のこと。この時は東日本大震災で大きな余震が続いている時でもあり、睡眠不足や過労などで精神的にも参っていた。結果論からして見たら、そのような一大事の急落した時に買っておけば、大変な利益を手にできたはずだが、現実には信用取引の維持率の関係で投げ売りせざるを得なかった。この時の損失は大きく、通年でも大幅なマイナスになってしまった。

昨年のブリックジットの時も急落したが、事件事故による急落と政策がらみの急落では趣を違にするものだ。

さて、今回の北朝鮮問題だが週明けの日経平均はどうなるだろうか。まずはCMEにさや寄せする感じで急落することは間違いないだろう。問題はその後だ。戻すのか、その戻しは信じて良いのか、それとも騙しでさらに下がっていくのか。一番のポイントは、まだグアムに向けてミサイルが発射されていないこと。つまり、今回の脅威は現実化されていない。市場はそういう不確実な状態を嫌う傾向にあるということだ。